前回のIT編の続きです。
ニュージーランドのIT職が高収入であることを紹介しましたが、最後は「そんなに甘くはない」と含みを持たせて締めくくりました。
これを見ている方が興味があるかどうかはわかりませんが、今回はもう少しIT業界を掘り下げようと思います。前回に続き、詳しく回答してくださった、うごうごさんとあいてーさんの回答を拝借しています。
仕事はあるの?どれくらいの実力が必要?
うごうごさんの回答:
救いなのはIT系はShortage Listに載っているだけあって、実力のある人は働き口があります。でも、職歴4年未満とか5年以上前に経験があるとかでは相当難しいです。
あいてーさんの回答:
日本で5年以上の経験があればスキル的にはマッチする会社はいくつもあると思いますが、即戦力として期待されるので未経験者が専門学校で技術を学んだ程度では厳しいのは事実です。まープログラマーのようなテクニカルな職種ではなくビジネスアナリストやテストアナリストなど業務寄りのポジションであれば経験の少なさを英語力や業務知識でカバーできることもありますが。
最低でも日本での実務経験が5年は必要のようですね。
まずは専門学校からでないとダメ?
専門学校に行かずにいきなり就職活動、成功確率は5%未満じゃないですかね。ほとんどの募集がワークか永住権など働けるビザを持ってることって条件がついてますから。ワーホリビザでもITだと厳しいです。何人かビジターで入ってワークビザサポートしてくれる雇用主を見つけた強者にも会いましたが、立場上雇用される側が圧倒的に弱いので、安月給でこき使われて永住権申請どころの話ではない、という人ばかりでした。
ニュージーランドで通じるスキルがあっても、ビザの問題があり、すぐに就職先を見つけるのは難しいようです。まずは専門学校に通ってジョブサーチビザを得るのが得策でしょう。
未経験でIT業界に飛び込める?
インターンや学生中のバイトで働きを認められて社員として就職するケースもゼロではありませんが、知り合いではいません。やはり最初の就職は落とされても落とされてもオンラインの募集に根気よく応募して、面接やスキルテストを経てパスするのが主流だと思います。当然運も英語力も必要で、ジョブサーチビザを持っていても就職先が決まらず、1年経ってビザが切れて帰国を余儀なくされる人もかなりの割合いるはずです。
一方、このところ行動力ばかりで英語力なし・技術力なしの人達がITの学校を卒業して就職を目指すというパターンがすごく多くなっており、95%以上が帰国(あくまで私が見たケース)と言うシビアな現実を目の当たりにしています。でも、そういう人たちに限って未経験のIT分野に飛び込んで幸いにも就職できた人の成功体験とかビザなし渡航したけど就職できたレアケースの話に感化されて、ポジティブシンキングしています。
日本であれば、業界未経験でも若ければOKです。IT分野に限らず、そもそも日本って大学の専攻と就職時の職種ってマッチしない人が多いですよね。IT業界でも文系エンジニアなんて言葉がありますし。
しかし、ニュージーランドではこれは通じないです。
「なんでもやります」的な根性論も無意味。
しかも前述のとおりITは高給職種。ハードルが低いはずがありません。経験と実力が明確に問われて当然、という感じです。
最後に
もしニュージーランドのIT業界を目指している人がいるなら、ここで紹介した現職のエンジニアの言葉をしっかり胸に受け止めてください。
淡い妄想だけ飛び出すのではなく、まずは自分の実力と相談して、しっかりと戦略をたて明確なプランを立てた上で移住に臨んで下さい。(って、これはIT業界に限らず、の話ですね。)