前回につづき、ニュージーランドの仕事と給料についてです。
今回はシェフについて。
シェフといっても色々あるわけですが、日本人は日本食レストラン(いわゆるジャパレス)のキッチンで働く人が多いです。言葉のハードルがないから入りやすいんですね。それに圧倒的に求人数も多いんです。(NZ大好きの求人掲示板の8割以上は飲食店。)
そのジャパレスのシェフもピンキリですが、まずは相当な腕と経験がない限りは、最低賃金に近いところで働くことになるでしょう。シェフは一応技術職なので、フロアスタッフよりは少し高めの時給を設定してるところも多いです。$0.5~$1.0程度。
ただ、パック詰めの寿司を大量生産する寿司シェフや、ご飯の上に具材をのせるだけの丼もの屋のキッチンでは最低賃金は免れないでしょう。
テイクアウェイがメインのSUSHIショップで働いています。仕事はそれほど難しくはないです。
時給は$14.75で、野菜を切ったりコメを炊いたりの簡単な仕込みと、テイクアウェイ用の寿司などを巻いたりしています。自分はワーホリなので短期のバイトみたいな感覚ですが、ワークで働いている日本人の先輩は少しだけ時給も高いようです。
ニュージーランド移住当初は、とにかく仕事に就くのに苦労すると思います。仕事の探し方や雇用主側の選考の仕方も日本と違うので、「とりあえず働く」ということを優先した場合、まずは日本人経営の職場にお世話になるのも悪く無いかもしれません。ただ、ブラックな職場もあるので気をつけて下さい。
長く職場に貢献し経験を積んでいけば昇給もあります。どこまで昇給できるかは職場次第でしょうけど、自分の経験と同業の友人から聞いた話をもとに書くと、雇われの立場では最大で時給$20強、店長兼ヘッドシェフでも$25くらいまででしょうか。(「もっと稼いでる」、「ちょっと違うよ」という方がいればコメント下さい)
一例を挙げておきます。
かあらさんの回答:
南島で和食の板前をやっていますが、週$1,000のサラリーです。ランチと夜の間に中抜け(1時間半程度)がありますが、1日平均10~11時間程度。どうしても、1日の勤務時間が長くなってしまう業種ですので、8時間勤務というわけにはいきませんが、時給に換算すると$20~$25になります。
年収で$52,000なので、シェフにはしてはかなりいいほうだと思います。欧米社会の職位でいうなら、Sous chefにあたると思います。ご参考までに。
という感じです。
最後の例は、かなり稀なケースかと思います。和食の板前で週$1000のサラリーはなかなかない。
個人的な意見を最後に。
もしこの業界で働くのであれば、SUSHI(寿司)を扱っている職場を選ぶことをオススメします。そして、料理の質の高い店(=ヘッドシェフの腕が良い)ほど良いでしょう。そこで技を盗み、腕を磨きましょう。
なぜなら、SUSHIは世界とつながっています。世界的にSUSHIは市民権を得ているので、(ちゃんとした)SUSHIが作れて握れれば、海外でSUSHIシェフとして生きていけます。日本人であることが特権にもなり得ます。自分でビジネスを始めたとしても「SUSHI」屋なら集客力があるでしょう。
こういう理由で、SUSHIができる職場が良いかなと思います。
また、今回は主旨が違うので詳しく書きませんが、この業界は雇用主と労働者の間でワークビザ・永住権絡みで色んな問題が生じやすい世界でもあります。
ビザ目的で「とりあえず、ジャパレス」という意識の労働者と、ビザを餌に足元をみてくる雇用主がいるのも事実です。自分の周りでも色んなケースをみてきましたが、だいたい泥沼です。
ただまぁそれは横に置いておいて、シェフとして働く以上は、「真摯に料理に向き合って追究して腕を磨くこと」が第一義かなと思います。結果的に、自分のスキルアップ、キャリア形成も図れますし、職場への貢献を続けていればビザの話もお互い気持ちよく進めれるでしょう。
次回はシェフ(ジャパレス以外)編の予定です。