前回は日本食レストランのシェフの給料でしたが、今回はジャパレス以外のシェフについて書いてみたいと思います。
ニュージーランドの飲食店やホテルのキッチンで働く場合、だいたい以下の通りの職位にしたがって組織構成されているのが一般的かと思います(職場によっては設定されていないタイトルもある)。
Commis Chef(見習いシェフ)
Demi Chef(半人前シェフ)
Chef de Party(部門主任)
Sous Chef(副料理長)
Head Chef(料理長)
下に行くほどランクが高く、Head ChefはExecutive Chefと呼ばれる場合もあります。
これらのタイトル別の平均時給は以下の通り。(参照元:Chef | Careers New Zealand)
Job Title | 平均給与 |
---|---|
Commis chef | $16~$18 |
Demi chef | |
Chef de partie | $17~$20 |
Sous chef | $18~$25 |
Head chef | $22~$49 |
統計に基づいた一般的な平均値はこんな感じとなっています。
僕はニュージーランドの現地企業のホテルのキッチンで働いたことがあります。ただ、上の方まで上り詰めたことはないので、あくまで同僚または同業の知り合いから聞いた給与事情でしか書けないのですが、だいたいこれくらいの相場で間違っていないと思います。(テレビにでるような有名シェフとかは例外。)
自分が働いていた当時の話(最低賃金は確か$10.25)で、Commis chefで$11.5~$13、Chef de partieが$15~17、Sous chefが$19~$20強程度。経験年数、勤続年数によって多少個人差はありました。
あれから10年近く経った今現在は、最低賃金の押し上げに伴って全体的に多少底上げされていて、だいたい上の表の平均賃金程度になっていると思います。
シェフになるには専門学校に通ってシェフの資格をとるのが普通ですが、資格がなくても仕事は見つかりますし、キッチンで働くこともできます。シェフではなくキッチンアテンダント(皿洗いや調理行為以外の雑用をする人)としてとりあえず現場に入って、人脈を作ってシェフになっていく人もいます。専門学校に通いながら働いている人もいます。
ちなみに、シェフはニュージーランドの長期不足職業リストに入っていますね(2016年2月現在)。シェフ歴5年以上、Chef de partie以上で2年経験があればポイントをもらえます。これに満たなくても永住権は狙える可能性は否定しませんが、現実的ではないかもしれません。
最後にひとつ、おまけ。
日本の感覚だと料理の世界で料理人が1人前になるまでには、相当な時間がかかるイメージがあります。「串打ち3年、裂き8年、焼き一生」みたいな。特に職人の世界では縦の順列も厳格ですから、順番待ちになっているケースありますね。
しかし海外ではこういう感覚はないです。もちろん最初は下から入るのですが、昇格するスピードは早いと思います。というのは、欧米人は転職してステップアップしていく意識が強いため、人の入れ替わりが激しく、結果、下の人間にチャンスが巡ってくるのも早いです。
日本人は1つの職場にとどまって地道に頑張るのが得意なので、2、3年頑張って貢献していれば、意外とはやく上に行くチャンスは回ってくるでしょう。しかも日本のような年功序列もないので、実力次第ではアッという間に責任者レベルに就ける可能性もあるかもしれません。(これはシェフに限らず全ての業界に言えることかな)
では今回はここまで。