3.11の震災による放射能汚染、今となっては大部分の人が忘れ去りましたが、これを深刻に捉えた少数の人達の中には、子供を守るため海外移住を選択した人もいます。
ここ数年のニュージーランドへの移住者の増加は、少なからず「原発のない国への退避」の思考が影響を与えていることは間違いなさそうです。
さて、親の勝手で子供を連れて行くのはいいのですが、子供にとってニュージーランドとはどういう場所なのでしょう?居心地のいい場所なのでしょうか?今回はここに焦点をあててみます。
由布子さんの質問:
ニュージーランドは子育てをするのに適した国だと聞きます。
子供を連れてニュージーランドに移住する方も増えていますね。子供にとってのニュージーランドとは、その噂通り快適な場所なのでしょうか?
もちろん子供に聞いて答えて貰わないことには本心はわからないのですが、親から見てどうでしょう?
ニュージーランドに移住して、子供はいきいきとしていますか?
日本にいた頃と比べて何らかの変化が見て取れますか?
一番大きく変わったところはどこでしょう?質問ばかりでスミマセン。
一ついい答えがあったので、こちらを紹介します。
トラトラさんの回答:
子供が小学校6年生の時にこちらに来ましたが、都内だったので周りの同級生たちは中学受験のためにほとんどの子が塾通いしていて、正直受験勉強や塾を避けることができてホッとしました。
あまり体を動かすのが大好きで活発、というタイプではないですが、それでも英語がわからない環境なのに初日から「楽しかった!」と言って帰ってきたのを見て連れてきて良かったと思いました。低学年でスポーツ好きな子なら天国のような場所だと思います。
学校の課題はprimaryでもリサーチプロジェクトのようなものが出されているのが興味深かったです。自分でテーマを決めてリサーチして所定のフォーマットに沿ったプレゼンテーションに仕上げる、というものです。こっちでは親が手伝うのは当たり前なので、一緒にやっていてすごく楽しかったです。
本人曰く、日本の小学校では友達関係を円滑にするために毎日すごく緊張していたのが、こっちでは全く気を遣わないので楽、って言ってたのを覚えています。
僕自身は子供はいないので個人的な意見は言えないのですが、自分の周りでも同じようなことを言う子供をもつ知り合いがたくさんいました。特に小さい子供を育てるのには、とても良い環境のようです。
日本から子供を連れてきた人達は、日本にいる頃とニュージーランドにいる頃の子供の姿を比較できるので、いっそうその変化に気づくのではないでしょうか。
トラトラさんの回答の中にもありますが、日本の(特に都会の)子ども達はみんな揃って塾通いですね。街中いたるところに塾を見かけます。みんなが塾に行くから、塾に行かないと友達と遊べないんだそうです。なんか矛盾してるような・・
塾に行くこと自体に良い悪いはないと思いますが、全員が机に向かうことに適しているわけではないんですよね。まぁココらへんから日本式レール社会が始まっているですが。
ニュージーランドでは、そういう詰め込み&右倣え型の教育ではないので、勉強できる子とできない子の間には圧倒的な差がつきますが、勉強に向かない子は他の道で自分の居場所を見つけるんですね。そもそも勉強というものさしだけで、子供の能力を測る社会ではないので、子供は無用なプレッシャーを受ける必要がないのですね。
少なくとも、子供が子供らしくいられる場所という点は間違いないのではないでしょうか。